【過去問解説】プロジェクトマネージャ 令和5年度【午後1問3】

本日中に掲載予定

目次

問1

設問1 [プロジェクトの目的]について, K課長が,工場の技術者と共同でシステムの構想企画の策定を開始する際に,長年プラントの点検業務を担当してきており,ベテラン技術者からの信頼も厚い,L部長に参加を依頼することにした狙いは何か。 35字以内で答えよ。

解答

システム化への抵抗を抑え経験やノウハウを継承してもらう狙い

解説

ベテラン技術者との関係や信頼については下記記述があります。

プラントの点検業務の作業は,一歩間違えば事故につながる可能性があり、プラントの特性を理解せずにシステムに頼った点検業務を行うことは事故につながりかねないとのベテラン技術者の抵抗がありシステム化の検討が進んでいない。

ベテラン技術者は、長年の経験で、機器類の障害の予兆を検知するのに必要な知見と,プラントの特性を把握した交換・修理のノウハウを多数有している。J社では,デジタル技術を活用した, 障害の予兆検知のシステム化を検討していた。

そこでK課長は, プラントが設置されている工場に赴いて, プラントの点検業務の責任者である L 部長に相談した。 L 部長は, 長年プラントの点検業務を担当してきており,ベテラン技術者からの信頼も厚い。

これらを踏まえて解答を組み立てます。

設問2 [構想・企画の策定]について答えよ。

(1) K課長が, L部長に本プロジェクトの目的を説明してもらう際に、工場の技術者全員を集めた狙いは何か。 25字以内で答えよ。

解答

全員で目標を共有しモチベーションを高めるため

解説

問題文には記載がない内容になるので、プロジェクトマネジメントとしてのチームビルディングなどの考え方から解答します。

(2) K課長が, J社とY社との間の知的財産権を保護する業務委託契約の条項を詳しく説明し、認識の相違がないことを十分に確認した上で, Y 社に依頼したのはどのような支援か。30字以内で答えよ。

解答

時系列データから障害の予兆検知に必要なデータを特定する作業

解説

J社の時系列データに対してY社のアルゴリズムを適用したシステムを構築することで「Y社の知的財産であるアルゴリズムを組み込んだJ社システム」が出来上がることになります。

知的財産権で保護されたY社アルゴリズムを勝手に使用することはできませんので、事前に認識の相違がないことを確認する必要があります。

(3) K課長が, 要件定義チームのメンバーとして選任したベテラン技術者と中堅技術者に期待した役割は何か。 それぞれ 30字以内で答えよ。

解答

ベテラン技術者長年の経験で培った予兆検知の知見やノウハウを共有すること
中堅技術者知見やノウハウの習得と点検業務を担当すること

解説

「期待した役割」について問われています。何かを期待するということは、「もっとこうあるべき」という目標があり現状はそこに至っていないということです。

現状では課題があるということですね。

では、現状の課題がどこに記載されているかというと、問題文の最初のページに記載があります。

設問3 [プロジェクトフェーズの設定]について答えよ。

(1) K 課長が, 本プロジェクトのプロジェクトフェーズの設定において, 要件定義フェーズと開発フェーズは特性が異なると考えたが, それぞれのプロジェクトフェーズの具体的な特性とは何か。 それぞれ 20字以内で答えよ。

解答

要件定義フェーズ探索的な方法が必要でスコープが決められない
開発フェーズ確定したスコープに対し計画通りに実行する

解説

一般論を語るのか、本設問について語るのかは解答が分かれるところかと思います。

上記は問題文からの抜粋で解答作成しました。

要件定義チームの作業は,多様な経験と点検業務に対する知見・要求をもつ, 技術者, 情報システム部のプロジェクトメンバー及びY社のメンバーが協力して進める。 また, 様々な観点から多様な意見を出し合い,その中からデータの組合せを特定するという探索的な進め方を、 要件定義として半年を期限に実施する。その結果を受けて,予兆検知システムの開発のスコープが定まり,このスコープを基に、要件定義フェーズの期間を含めて1年間で本プロジェクトを完了するように開発フェーズを計画し, 確実に計画どおりに実行する

(2) K 課長が,機器類の交換・修理の手順を模擬的に実施することで, 手順の間違いがプラントにどのように影響するかを理解できる機能を予兆検知システムに実装することにした狙いは何か。 35字以内で答えよ

解答

プラントの特性を理解した交換・修理のノウハウとするため

解説

プラントの点検業務の作業は,一歩間違えば事故につながる可能性があり、プラントの特性を理解せずにシステムに頼った点検業務を行うことは事故につながりかねないとのベテラン技術者の抵抗がありシステム化の検討が進んでいない。

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