【試験対策】基本情報技術者試験 新方式解説
情報処理技術者試験の登竜門的存在になっている基本情報技術者試験ですが2020年12月からCBT方式に変更になっております。
パソコンの前で試験を解くあれですね。今までは解答用紙に記載する昔ながらの方法だったのでずいぶん楽になりましたね。
(他の試験区分はほぼ解答用紙のままですが、、)
受験方法が変わった基本情報技術者試験ですが、2023年4月から試験内容も一部変更して通年試験としてリニューアルされます。
過去問での試験対策だけでは不十分になっておりますので、今回の変更点と対策について解説いたします。
基本情報技術者試験とは
基本情報技術者試験の対象者は「高度IT人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者」とされています。
基礎的知識・技能との記載がある通り、情報処理技術者としての登竜門的な試験です。
期待する技術水準
情報処理技術者試験の試験要綱に記載されていますので、重要な箇所のみ抜粋します。
- 情報技術を活用した戦略立案に関し,担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
- 対象とする業種・業務に関する基本的な事項を理解し,担当業務に活用できる。
- 上位者の指導の下に,情報戦略に関する予測・分析・評価ができる。
- 上位者の指導の下に,提案活動に参加できる。
- システムの設計・開発・運用に関し,担当業務に応じて次の知識・技能が要求される。
- 情報技術全般に関する基本的な事項を理解し,担当業務に活用できる。
- 上位者の指導の下に,システムの設計・開発・運用ができる。
- 上位者の指導の下に,ソフトウェアを設計できる。
- 上位者の方針を理解し,自らソフトウェアを開発できる。
もちろんこれらを満たしていないと受験できない訳ではありませんので、あくまで参考まで。
学生も受ける試験ですからね。
受験者の分布
CBT方式が導入されてから分布は公表されていないですが、分布は大きく変わっていないはずですので令和元年の旧方式まで遡って確認しました。
約7割が社会人という分布になっています。
これを見ると多くの学生も受験していることが分かります。情報系の学生で受けている方が多いのでしょう。
ちなみにもう1ランク上の「応用情報技術者試験」になると9割が社会人になり、高度資格になるとほぼ社会人ですね。
基本情報技術者試験の合格率
CBT方式の前後で合格率が大きく異なってきましたので、過去も含めて掲載いたします。
旧方式では約25%程度の合格率で推移しておりましたが、新方式のCBTになってから40%を超える合格率になっています。
資格試験で合格率40%超えはかなり高い方ですので、数値から見ると取得しやすい資格ということになります。
ただ、これはCBTになってから試験が解きやすくなったわけではなく、2019年の試験改定によって難易度が下がったためだと思われます
2023年4月からの新試験変化点
試験の形式と試験の出題範囲で変化点がありますので、それぞれ解説していきます。
試験の出題形式
形式 | 項目 | 変更前 | 変更後 |
---|---|---|---|
午前試験(変更後は科目A試験) | 試験時間 | 150分 | 90分 |
出題数/解答数 | 80問/80問 | 60問/60問 | |
方式 | 小問 | 小問 | |
午後試験(変更後は科目B試験) | 試験時間 | 150分 | 100分 |
出題数/解答数 | 11問/5問 | 20問/20問 | |
方式 | 大問 | 小問 |
変更前は午前150分と午後150分をそれぞれ戦い抜く必要がありましたが、変更後は科目A試験が90分・科目B試験が100分と大幅に試験時間が短縮されています。
午後試験に該当する科目B試験についても、今まで長文読解の大問形式でしたが小問形式に変更になります。
試験範囲
- 科目A試験:従来の午前試験から変化なし
- 科目B試験:「データ構造及びアルゴリズム」「情報セキュリティ」の2つの分野を中心にした構成に変更
科目B試験の出題割合は「アルゴリズムとプログラミング」は8割、「情報セキュリティ」が2割になる予定です。
アルゴリズムとプログラミングは下記のカテゴリが出題されます。
- プログラムの基本要素
- データ構造及びアルゴリズム
- プログラミングの諸分野への適用
さらに個別言語(C,Java,Python,アセンブラ,表計算)による出題はなくなり、疑似言語による出題に統一されます。これは個別の言語によるスキルではなく、普遍的・本質的なプログラミング的思考力を問う試験にするためのとのことです。
シラバス変更点から見た出題範囲変更点
より具体的な出題範囲について解説していきます。
過去問では出題されていなかった可能性があるので、要注意です
アルゴリズム
アルゴリズムの基本的な考え方と,流れ図や擬似言語による表現方法を修得し,適用する
従来は「疑似言語」という記載はございませんでした。今後は疑似言語による流れ図から意図を読み取ったり、処理を組み込む出題が増えると思われます。
プログラミング
プログラミングの基礎を修得し,適用する。
プログラミングにおける基本的な概念や処理についても出題範囲に加えられています。具体的には下記です。
- データ型と変数
- 演算
- 制御構造
- 手続き、関数
- オブジェクト指向プログラミング
サンプル問題
新試験にむけて、IPAからのサンプル問題が提示されています。どのような出題がされるのか事前に確認しておきましょう。
まとめ
基本情報技術者試験は未経験の方々にとっては難しく、参考書など見てもわからないことだらけでハードルも高く感じてしまうかもしれません。
しかし少しずつ知識を増やし単語を覚えていくことで、アルゴリズムやセキュリティについての理解も深まっていきます。
不思議なことに、理解が深まれば深まるほどシステムについての新たな興味・関心がわいてくるものです。
途中で挫折することなく、自分のペースで試験に臨んでいきましょう。